• 迷っている頭を、決断できる状態に

「なんでそんなこともできないの?」

「普通わかるやろ?」

「何回言ったらわかるん?」

相手のミスや態度にイライラして、
つい強い言葉をぶつけてしまう。

でも私は思うんです。

感情的になった瞬間、実は相手をコントロールしているようで、相手にコントロールされている。

相手が思い通りに動かなかった。
だから自分の機嫌が悪くなる。

相手の態度が悪かった。
だから自分も態度を悪くする。

相手が怒ってきた。
だから自分も怒り返す。

これってよく考えると、

自分の感情のスイッチを、相手に渡している状態なんですよね。


「怒る」と「叱る」は違う

私は、叱ることまで悪いとは思いません。

仕事でも子育てでも、
間違っていることを伝えなければいけない場面はあります。

危険なことをした子どもに
「それは危ないよ」と伝えることも必要です。

仕事でミスがあれば、
「次からどうすれば防げるか」を一緒に考えることも必要です。

それが「叱る」。

でも「怒る」は少し違います。

怒りの中には、

「私の気持ちをわかってほしい」
「私の思い通りにしてほしい」
「私を軽く扱わないでほしい」

そんな自分側の欲求が隠れていることがあります。

つまり、相手を正したいように見えて、

本当は
“自分をわかってほしい”
という承認欲求だったりするんです。


ミスをしたくて、ミスする人はいない

仕事で誰かがミスをした。

そこで、

「なんでこんなミスしたん?」

と責め続けても、ミスは消えません。

そもそも多くの場合、
本人だってミスをしたくてしたわけではありません。

必要なのは、

「何が起きたんやろ?」
「次はどうしたら防げる?」

と考えること。

怒鳴れば一瞬、相手は動くかもしれない。

でもそれは、

あなたを信用したから動いたのではなく、あなたを怖いと思ったから動いただけ。

恐怖で人を動かすことを続けていると、
だんだん本音を言ってもらえなくなります。

ミスを隠されるようになる。

相談されなくなる。

そして最後には、信用まで失ってしまう。


子どもに怒鳴ってしまう時も同じ

「早くして!」

「何回言ったらわかるん!」

「いい加減にして!」

子どもに怒鳴ってしまったあと、

「あんな言い方せんでもよかったな」

と思うことってありませんか。

もちろん親だって人間です。

疲れている日もあるし、
余裕がない日もあります。

でも、その怒りの奥を見てみると、

「お母さんの言うことを聞いてほしい」

「これだけ頑張ってるんだからわかってほしい」

そんな気持ちが隠れていることがあります。

だから大切なのは、
怒らない完璧な親になることではなく、

「私は今、何をわかってほしくて怒ってるんやろ?」

と、自分の心に気づけること。

それだけでも、怒りとの付き合い方は変わっていきます。


相手が怒っている時ほど、その奥を見る

これは店員さんでも同じです。

お店に入ったら、店員さんの態度が悪かった。

ムッとしますよね。

そこで、

「なんなん、その態度」

とこちらも不機嫌になれば、

その瞬間から自分の機嫌まで
その店員さんに握られてしまいます。

そんな時、私は逆を考えてみます。

「この人、なんかあったんかな?」

もしかしたら忙しくて余裕がないのかもしれない。

嫌なことがあったのかもしれない。

もちろん、態度の悪さを許す必要はありません。

理不尽な扱いまで我慢する必要もありません。

でも、

相手の不機嫌に、自分まで不機嫌になる必要もない。

「大丈夫ですか?」

と一言、愛を渡してみる。

これは下手に出ているわけではありません。

相手の感情に飲み込まれず、
自分がどう振る舞うかを自分で決めているんです。


強く見せる人ほど、本当は何かを守っている

怒鳴る人。

威圧する人。

すぐキレる人。

必要以上に自分を大きく見せようとする人。

そんな人を見ると、

「怖い人」

と思ってしまうかもしれません。

でも、その強さは
本当の強さとは限りません。

傷つきたくない。

バカにされたくない。

負けたくない。

自分を認めてほしい。

そんな弱さを隠すために、
強さをアピールしている人もいます。

だから私は、

言葉ではなく、その人の奥にある感情を見る。

怒っている人に、怒りで返さない。

不機嫌な人に、自分の機嫌まで渡さない。


本当に強い人は、自分の感情を自分で選べる

優しくすることは、負けではありません。

理解しようとすることも、
相手の言いなりになることではありません。

嫌なことには「嫌」と言っていい。

離れた方がいい相手からは離れていい。

境界線は必要です。

そのうえで、

相手が怒っているから、私も怒る。

ではなく、

相手がどうであっても、私は私の態度を選ぶ。

それが、本当の意味で
「相手にコントロールされない」ということだと思っています。

怒りをゼロにする必要なんてありません。

怒りは、自分の中に何か大切な気持ちがあることを教えてくれる感情でもあります。

だから怒りが出た時こそ、

「この人をどうやって動かそう?」

ではなく、

「私は今、何をわかってほしいんやろ?」

と自分に聞いてみる。

怒りの奥には、
ずっと気づいてほしかった気持ちが隠れていることがあります。

もし、

「頭ではわかってるのに、家族にだけ怒ってしまう」

「些細なことで感情が爆発してしまう」

「怒ったあと、いつも自己嫌悪になる」

そんなことを繰り返しているなら、

必要なのは「もっと我慢すること」ではなく、
怒りの奥にある自分の気持ちを知ることかもしれません。

心理相談では、
怒りを無理に抑えるのではなく、

「なぜ私はここまで反応するんだろう?」

その根っこを一緒に整理していきます。

怒りの奥にいる自分を知ると、
人との関わり方は少しずつ変わっていきます。

相手を変えようとする人生から、
自分の感情を自分で選べる人生へ。

それだけで、人間関係はずっと楽になります

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